女性の儀礼

アーティスト
ルーシー・ヌンガライ
制作年
1999
サイズ
45 x 60 cm

作品の中央部分に描かれている同心円は、アボリジニの女性たちの伝統的な儀礼が行われるキャンプ地《集合場所》を表し、そこは遥か太古に大地の精霊たちが水場を探し求めながら旅をした旅程でもあったという。アボリジニの女性の儀礼には重要でかつ神聖な情報を自分達の次の世代へ確実に伝承するという大きな役割がある。

これは水一滴ない砂漠の過酷な自然条件の中で“生きる”ために欠かせない知恵であり、その伝達のために行う儀礼には必ず自分たちの身体(肩・胸元・乳房部分)に“ボディ・ペイント”を描き、それには部族の歌・踊りを伴いながら、アボリジニの女性たちは幼い頃から大事な伝達の記録として記憶する。

もともと「読む」「書く」といった文字を持たない無文字社会で生きるアボリジニの人々にとって、絵を描くということは決して芸術のためではなく、ビジュアルな言語として(視覚で記憶する文字に代わる記号のようなもの)これまで何千世代にも渡って伝承されてきた文化・歴史・ライフストーリーそのものなのである。

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