ブッシュプラムドリーミング Bush plum dreaming

エリザベス・ピチャラ

1980生まれの若手作家、絵画制作を始めてまだ日は浅いものの勢力的なプロモーションにより年々人気が高まっている。

アボリジニの人々にとって広大な大地は自らを生み出してくれた偉大なる母であり、また死後に自分の魂が再び戻っていくことから密接な関係を営む特別な場所だ。

世界で最も水の乏しい乾燥した大地だといわれるオーストラリアの中央砂漠。そこで採れる野生の果物(ブッシュプラム)をモチーフにしたこの作品は、

はるか太古から大地とともに暮らしてきた先住民アボリジニの人々にとって貴重な食糧採集についての不可欠な情報であり、それは許された者だけに公開されるという。

大地の隅々まで熟知している作者にとって、大地からもたされる「恵みの食べ物」をモチーフに描く作品はまさに作者とカントリーの密接な関わりを表す物語なのではないだろうか。