ボディペイント Body Paint

グレイシー・モートン

1956年生まれ。

作者は1980年代後半、オーストラリア中央砂漠に当時の豪州政府によるアボリジニ社会への経済的自立を促す活動となった“サマー・プロジェクト”の一環として絵画制作をスタートさせた。

文字を持たない無文字社会で暮らしたアボリジニの人々が過酷な環境で生き抜くために熟知しておかなければならない知恵や情報は全て歌や踊り、そして絵画という「視覚言語」で遥か太古より何千世代にも渡って確実に伝承をされていった。

伝承されるのは主に儀礼を行なったときで、その際には大地の上に砂絵として、また自分達の身体の上に(肩・胸元・乳房など)ボディペイントとして描かれる。この作品はそのボディデザインが図案として用いられているという。

何層にも重なるユニークな筆遣いはまさに現代アートそのものだ。しかしながら作者が育ったところは最寄りの街まで数百キロの場所に位置し、西洋美術とは全く無縁な環境である。

だからこそ作者自身が持ち備える本来の美的才能を高く評価したい。