ブッシュメディスン Bush Medecine
ジャネット・ゴールダー
2010年
60 x 60cm
作者は1973年に豪州中央砂漠のユトーピアというアボリジニの居住区で生まれ、いまや期待の若手女性画家の一人として大きな注目を集めている。
彼女の親族の中にはすでに名を上げた画家たちが多く存在していたことから幼少から美術への関心が非常に高かったと言われている。独創的な色使いとその画法に定評があり、多くの美術愛好家たちからの支持も厚く人気は年々急上昇だ。
この作品は乾燥した砂漠の大地においての薬草をモチーフにしているという。砂漠に生息する数千種類もある草花からアボリジニの女性たちはそれぞれの病に適するものを的確に収集し、それらを薬として常備する。薬は万能薬といわれ、特に切り傷ややけどなどに効果があるそうだ。彼らの社会に西洋医学が入ってきたのはイギリス人の入植が始まってからである。それまではこうした古来の治療法であらゆる病を治してきたのだという。