母の大地 My Mother's Country
ジョーシ―・パトリック
Joseph Patrick
2019年
45 x 90cm
作者は1953年生まれ、ユトーピアの女性画家として1990年代後半から絵画制作に励んでいたという。アーティストとしてのキャリアは比較的長いほうである。細やかなドット手法が人気であり、コレクターも世界各地に数多く存在する。
細やかな点描は乾燥した砂漠地帯にようやく雨が降ったあと色とりどりの草花が咲き乱れそこにブッシュプラムが生息する様子を描いている。
(注:ブッシュプラム=乾燥したオーストラリアの中央砂漠でアボリジニたちの大切な食料源となる果物の実。ビタミンCを非常に多く含む。)
そこは紛れもなく作者にとっての「母なる大地」そのものなのである。
作者が絵画を描くということは大地と自分が常に関わり合っていることを確認することの表現であり、これははるか太古から伝承されてきた祖先からのメッセージをいまだに大切に守り続けるための重要な儀式を行っているのと同じだと誇らしげにいう。
コレクション:ビクトリア州立美術館