マイカントリー My Country

トリーザ・プーラ

1963年に、オーストラリア北部・ダーウィンにて生まれる。

アボリジニアート界では国内外において著名な画家であるバーバラ・ウィアを実の母に持つ作者は、幼いころから母親の傍で絵画制作にいつも見入っていたという。そしてあるとき母親から突然キャンバスを手渡されたのを機に自ら絵を描き始めたそうだ。

自分が生まれ育った故郷であるユトーピア(豪州中央砂漠・アリススプリングス北東240キロ)のカントリーそのものをこの作品の主題としている。

作者をはじめ、アボリジニの人々は大地といかにうまく共存して生きるべきか、その術を幼い頃から歌や踊りで先代から学んでいく。その学び取ったものこそが自分のストーリーとなり、自ら描くことを許されるのである。そして次の世代に「命の物語」として確実に伝承をしていくのだ。
               
2008年、東京新国立美術館で開催されたエミリー・ウングワレ―展の開会式へ出席をするため母親バーバラと一緒に初来日。1週間の日本滞在を大いに満喫した。

近年、オーストラリアの首都キャンベラにある国会議事堂に作者のデザインが広場のモザイクに使用されたことで大きな話題となった。