ウォーター・ドリーミング Water Dreaming

ヴァレンティーン・ナカマラ
Valentine Nakamarra

オーストラリア中央砂漠、北西にあるアボリジニ居住区「ユウエンダムー」のさらに西側である作者の故郷は大変乾燥した地域で知られている。

年間の降水量が200ミリにも満たない乾燥したオーストラリアの大地で暮らすアボリジニにとって水場のありかを知るということは、自分がどれだけそこで生き延びられるかということに直結する大事な情報であることは誰もが周知している。

その水場は聖地として崇められ、アボリジニの人たちにとって何よりも精神的・肉体的な結びつきが強い場所となる。

作品に描かれている中心の円は、はるか太古に精霊たちが聖地から聖地を旅した時に見つけた水場のある場所。砂漠では欠かせないオアシスである。

精霊たちを自分の祖先として崇めるアボリジニの人々は、大地への絶大なる感謝と敬意を表しながらそこで(作られた水場で)儀式を行う。

こうやってアボリジニの人々は何万年もの間、大地と自分たちとの関わりを常に学びながら、5万年という長い間文明とは一切かけ離れた環境で暮らして来たのである。

作者は若手の女性画家。今後の活躍がますます期待される。