ノーラの故郷 Nola's Bush country

ノーラ・キャンベル

1948年生まれ。

自分たちのカントリーが日々正しく機能しているかどうかアボリジニの人々は常に「大地の表情」を静観し、時によってはカントリーに呼びかけながらその日のご機嫌をうかがう。それは“ドリーミング”(アボリジニ社会における独特な思想・世界観)として何世代にも渡って伝承されるもので、彼らが厳しい環境の中で生きるための“バイブル”なのだ。無文字社会で暮らした彼らはそれを「歌」や「踊り」、そして「絵画」で伝えてきた。

一晩中、儀式で歌い踊り、精霊たちと交流をしながらこの「世界の成り立ち」を学んでいくことはアボリジニ社会では重要不可欠なこと。図案に描かれる同心円はかつて精霊たちがカントリーを旅をしながら創り上げた水場であり、それがやがて聖地となって自分たちをずっと見守り続けてくれるのだと作者は誇らしげにいう。