東京、代々木上原での展覧会、いよいよ今週土曜日から開催です。
オープニング前に展覧、販売予定の作品のほんの一部をこちらでご紹介します。
展覧会の詳細は、こちらから。

■■ モニカ・ナパチャリ ■■
タイトル 「食物採集のストーリー」
サイズ 65cm x 35cm
若手の女性画家。広大なオーストラリアの砂漠での狩猟採集はいつ、どこで、何が、どれだけ採れるのかという情報をいかに持っていることが「どれだけ砂漠で生き延びられるか」ということに直結する不可欠なもの。文字を持たないアボリジニの人々はそうした情報を何世代にも渡って「絵画」で伝承してきました。この作品はまさに食物を探しているお話で、とてもエネルギッシュな感じがします。

 

■■ フィロミナ・ナパチャリ ■■
タイトル 「ブッシュ・トマト ドリーミング」
サイズ 75cm c 105cm
はるか太古から乾燥した砂漠の大地をくまなく歩きながら食料を捜し求めてきたアボリジニの人々。大地の神々に祈りを捧げ、その都度飢餓の危機を免れてきたという神話に基づいた話はアボリジニの社会ではかなりリアルな話として現在においても語り伝えられているんです。この作品、鮮やかなブルーのバックグラウンドに黄色と黒で描かれた点描がとってもヨーロピアン。

 

■■ グロリア・ペチャラ ■■
タイトル 「ブッシュ メディスン ドリーミング」
サイズ 120cm x 120cm
アボリジニの女性画家の中では絵画制作歴が最も長い著名な彼女は2008年に大阪国立国際美術館、東京国立新美術館での開会式出席のために初来日しました。作風はオレンジ色と黄色を何層にも重ね、大胆な筆づかいで仕上げた見事な逸品。ブッシュメディスンとは薬草をモチーフにしたストーリーで、西洋医学を知らなかった太古のアボリジニ社会では病気の全てを自然のものだけで治癒していた大地と自分の大切な関わりをも表現している。

 

■■ グロリア・ペチャラ ■■
タイトル 「ブッシュ メディスン ドリーミング」
サイズ 60cm x 90cm
上の作品同様、薬草のお話。ストーリーの内容は全く同じですが使用する色や筆が異なるとこんなにも違った作品に仕上げてしまうのがグロリア・ペチャラのテクニック。彼女のキャリアの長さを感じさせます。
砂漠で生息する薬草が大地の風にのって揺ら揺らゆれ動いている様子が見事に表現されていると思いませんか。ターコイズとブルーが美しく重なり合った作品です。

 

■■ アンドリュー・スペンサー ■■
タイトル 「ティンガリ」
サイズ 38cm x 46cm
この作品を初めて目にしたとき、思わず「天才バカボン」を思い起こしてしまいました。かわいいぐるぐる渦巻きはアボリジニの人々の大事な聖地を表します。アボリジニの社会では5万年もの太古から精霊たちが聖地から聖地へと旅をしながらそこに壮大な「世界の成り立ち」のストーリーを創って行く、そんな神話が現在にも存在するんです。