作者はまだ若手の22歳。独創性の強い作品が周りからの注目を高め近い将来、来日できることを夢見ているという。
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ウィンチャ・ナパチャリ
はるか太古からブッシュ(うっそうとした木々が生える砂漠の中央部)の中で狩猟と採集のみで生活を続けてきた作者の持つ自然・大地への慈しみは計り知れない。大地と自分との共生こそが自分を生かしてくれる源だとアボリジニ古来の哲学を非常に重んじているトラディッショナルな女性のひとりである。
また、アボリジニ女性画家の中ではひときわ早く絵筆を握り個性的なアートスタイルから瞬く間に名を挙げた。
作者は儀礼を通して常に神へそして大地へ感謝の意を表しその大地の偉大な力をたたえるために歌と踊りを伴って次の世代にそれらを伝承する。
オーストラリア国内では国立美術館にコレクションが所蔵され、近年では海外での評価も非常に高い作者の作品は毎年各地で個展、グループ展が頻繁に行われている。
コレクション:
オーストラリア国立美術館
ビクトリア州立美術館
サウスオーストラリア美術館 -
エミリー・ウングワレー
1910年ごろアリススプリングスの北東ユトーピアに生まれた女性。
エミリーはもはや現在オーストラリアでは最も著名で重要な画家のひとりとなり世界中のメジャーな国立美術館やコレクターたちからも非常に高い評価を受けている。
彼女の驚くべき個性的な技法であるドット(点描)を何層も重ねるスタイルはとてもパワフルで尚かつエネルギッシュでありながらも優しく、観る側の心を揺さぶる力があるといわれている。
彼女はアボリジ二居住区ユトーピアコミュニティの中でも特別リーダー的な存在であり、女性の重要な儀礼を司る役目もあった。それゆえほとんどのドリーミングを所有していた。
1989年に初めて絵筆を握って以来、キャンバス地に描いた数々の作品には誰もが目を見張り,瞬く間にオーストラリア美術界の注目の的となった。それ以後、1996年に他界するまでおよそ3000点~4000点の作品を制作したといわれている。
1990年にはすでに個展がシドニーナショナルギャラリーで開催され、のちにも国内はもとより世界各国の国立美術館、メジャーなギャラリーにて50箇所以上にもわたって展覧会が催されるなど彼女の画家としての才能に誰もが大きな注目を集めたのである。
1992年に東京・京都国立近代美術館にてグループ展出展。
1996年、NHK教育テレビ「日曜美術館」でもオーストラリアの砂漠で活躍する偉大な画家として紹介され大きな反響を呼んだ。2001年~2002年には北海道立旭川美術館・栃木県立美術館・福島県いわき市立美術館・山口県下関美術館において開催されたアボリジニアート展ではおよそ100点の展示作品のなか12点もの作品がエミリーのものであった。